みずほ総合研究所は「消費税率引上げに伴う家計負担」と題したレポートを公表しました。
それによりますと、年収階層別の消費税負担額を試算した結果、
低所得者ほど税負担率が上昇することが明らかになりました。
試算は、総務省「家計調査(2012年)」のデータを元に、年収階層ごとの
1ヵ月平均支出総額から家賃などの非課税品目を控除した金額に消費税率を乗じて、
消費税負担額を算出したものです。
年間消費額(税抜)が変わらないという前提で、税率が8%に引き上げられた場合、
消費税負担額は年収300万円世帯で同15万3,411円、年収1,000万円以上世帯で同37万9,059円と試算されます。
さらに、税率が10%に引き上げられた場合の消費税負担額は、
年収300万円世帯で平均19万1,764円、年収1,000万円以上世帯で同47万3,823円と試算されます。
以上のように、年収が多いほど消費水準も高いため、金額ベースでみた消費税負担は、
高収入世帯ほど大きいとしています。
しかし、年収に対する負担率で比較しますと、現行税率5%の場合でも年収300万円未満世帯で4.1%、
年収1,000万円以上世帯で1.7%と、低所得世帯の負担が重くなります。
その負担率の差は2.4%ですが、税率が8%に引き上げられると、
負担率はそれぞれ6.5%、2.7%に上昇し、負担率の差は3.8%に拡大します。
そして、税率が10%に引き上げられると、負担率はそれぞれ8.1%、3.4%まで上がり、
負担率の差はさらに4.7%まで開くと計算しております。
2014年度は、消費税率引上げにより全ての年収階層で大幅な負担増となります。
同レポートでは、日本の財政事情を踏まえれば、今後も徐々に家計負担を高めていく方向性自体は変えられず、
2015年10月には10%への消費税率引上げが予定されますが、2014年4月の税率引上げ後の経済情勢を踏まえ、
税率引上げ幅・時期が適切か、低所得者や年金受給世帯への配慮は十分かといった観点も含め、
改めて慎重な検討が求められると締めております。
◆贈与税の二つの方式の適用状況
贈与税には、相続時精算課税方式と暦年課税方式の二つがあります。
直近の国税庁の公表によると、暦年課税適用者は39.1万人、相続時精算課税適用者は4.6万人です。
ここ10年ぐらいを概観すると、暦年贈与は平成20年を谷底(27.3万人)とした形で、
最近5年は一貫して増加しています。
それに対して、相続時精算課税は平成15年の制度創設時の7.8%から数年8%前後で推移し
平成19年(8.9万人)を頂点とし、なだらかな山型でそれ以後一貫して減り続けています。
◆相続税がバクチを取り込む
相続時精算課税は、当初は期待を込めて適用する人がそれなりにおりましたが、
受贈財産である不動産や株式が相続時に大幅な値下がりをしていても、
逆に、大幅に値上がりしていても、相続財産として合算される金額は贈与時の時価となることになっており、
相続税にこのようなバクチ的要素が持ち込まれていることに、リスクを察知しているからではないかと、思われます。
◆孫への制度拡張が起死回生策となるか
平成27年以後の贈与から、相続時精算課税制度の適用対象が孫にまで拡大されることになりましたので、
その年からは選択適用者数の減少が増加に転ずると期待されているのでしょうが、
多分、期待に反して減少傾向に歯止めがかからないことになるのではないかと推測されます。
◆相続時精算課税が今後とも不人気の理由
平成27年以後の相続税の基礎控除40%カットによって、相続時精算課税制度の絶対的適用有利者である、
相続税のかからない層に属する人数が圧縮されます。
また、平成27年以後の相続税の高額納税者への税率アップで、最高税率に近い人ほど、
相続時の追加納税が大きくなるので、相続時精算課税制度を敬遠することになると思われます。
それに孫は1親等の血族ではないため、相続税の2割加算の対象者となり、
事前に20%で納付していた贈与税と、55%×1.2=66%となる相続税額との差額を追加納税する必要となる場合があり、
有利選択とはなりにくいです。
逆に、平成27年以後の贈与税では、20歳以上の孫ならば、暦年贈与の税率が緩和されるので、それを利用して、中長期にわたる贈与を実行していくほうが、有利選択になると思われます。
1/10
・前年12月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
1/31
・前年11月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
・源泉徴収票の交付
・支払調書の提出
・固定資産税の償却資産に関する申告
・2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
・5月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
・法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
・消費税の年税額が400万円超の2月、5月、8月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
・消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(9月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
・給与支払報告書の提出
・個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第4期分)
12月12日にまとめられた2014年度税制改正大綱には、〝高所得〟のサラリーマンに対する増税措置が盛り込まれました。
今回の税制改正大綱は、一部の法人とはいえ負担が軽くなる法人減税策がいくつか明記されましたが、
個人としては増税策が目立つともいわれます。
所得税や住民税の税額は、給料からさまざまな所得控除額を差し引いた後の課税所得に税率をかけることで決まります。
12年分まではこの「給与所得控除額」は上限が定められていませんでした。
しかし、13年分からは給与等の収入金額が1500万円超の人の給与所得控除額が245万円の定額に変更されました。
1500万円超の人にとっては増税だったわけです。
今回の大綱ではさらに、控除の上限額を、16年1月から年収1200万円超で230万円
(個人住民税は17年分に適用)、17年1月からは年収1千万円超で220万円(同30年度分に適用)と、
段階的に見直すことを明記しました。
財務省の試算によると、夫婦と子どもふたりの4人家族で年収1200万円の場合、
17年には現在より年間3万円、年収1500万円以上だと16;14万円の増税となるそうです。
財務省は与党税調が取りまとめる予定の1週間前の12月5日になって、
突如としてこのアイデアを出してきました。
国税庁の民間給与実態統計調査(2012年分)によると、この増税策で税額が上がる年収1千万円超のサラリーマンは172万人。
給与所得者全体の3.8%にあたるそうです。
◆若者を取り巻く社会経済の変化
H25年度厚生労働白書から若者の労働環境の変化、
仕事への意識等調査結果を見てみたいと思います。
前提に人口減少社会があげられます。
現在の若者(15歳から39歳)は少子高齢化が急速に進む社会で成長し、
今後は人口減少社会で生きて行くわけです。
バブル崩壊以降若年者における非正規労働者の増加や国際的な経済競争の激化、
高学歴化、ネットワーク社会の進展と様々な変化は若者の生き方にも変化をもたらしています。
◆若者の仕事に関する現状
若者をめぐる就業環境は依然として厳しい中、若者の働く目的は経済的豊かさよりも
楽しく生活する事を重視しており、能力、個性の発揮を求めて、長期雇用の下でのキャリア形成を望んでいます。
しかし現状は企業と若者の間のミスマッチ、未就職者の存在、
不本意な非正規雇用者の増加等の問題が生じています。
男性を中心に正規雇用への転換を希望する人も増えています。
これらの問題を解決する為には、ミスマッチの解消、マッチングの強化、
就職をあきらめさせない支援体制、能力開発等があげられています。
◆女性の就業継続と課題
女性の就業継続への意欲は高まっています。
ただ、「結婚、出産、子育て等による家庭での責任」と「仕事」の両立の負担感から
出産後の継続就業率はずっと約4割で変化はありません。
今後は仕事と子育ての両立や再就職の支援と言った女性のライフステージに応じた支援が必要となっています。
◆若者がチャレンジ出来る社会を目指して
急速な人口減少、激化する国際競争の中で社会経済の活力を維持し、
若者が希望を持って働き続けて行く為には能力開発できる環境を整備する事が必要としています。
又、若者が明るい夢や目標に邁進し、充実した人生を切り開くには何より、
日本経済の再生が重要としています。
雇用情勢の好転で若者を含め誰でも何度でもチャレンジ出来る社会、
能力を最大限に発揮できる社会を目指す事が必要と言っています。
もっともな内容ですが、アベノミクス3本の矢で経済再生する事を期待したいものです。
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