◆従業員のマイナンバーの収集・保管には
これから従業員のマイナンバーを収集・保管するにはどうするのが良いのかと
考えている企業も多いかと思います。
セミナーで聴いたり、システム会社からシステム導入の説明や勧誘を受けてみたりしても
何が自社に適当か分かりにくいのが現状です。
マイナンバーを含む特定個人情報は今までよりも厳重な取り扱いが求められ
故意による漏えいには罰則が強化されています。
取り扱いには注意し、漏えいしないよう必要な手立てをしておく事は大事でしょう。
◆在職者の番号収集時期は
事業所はマイナンバーを収集・保管して来年からの雇用保険や労災保険、
税分野の書類に関し、届出の際に使用します。
事前に社内でマイナンバー事務を扱う人を決めておく必要があります。
在職者の番号の合理的な収集時期は年末調整の前の扶養控除等申告書を
各人に配った時に番号を記載してもらい、マイナンバーの通知書写しを添付して、
会社が確認をするのが良いでしょう。
収集方法は直接かメールでは別便パスワード付きで送付、簡易書留で送付等によって集め、
会社はナンバーを記録すれば写しは保管してもシュレッダー等で廃棄してもかまいません。
◆小規模事業所の収集・保管の流れの例
(1)扶養控除等申告書と個人番号の写しを提出、本人確認や番号の確認をしたらコピー等は保管しない。
(2)担当者が手書きで書面に記載して金庫や鍵付きキャビネットで保管するか、
パソコンに入力して管理する時はID・パスワードを付ける。
(3)提出書類に番号を書く必要があった時には金庫から取り出し、番号を転記、
番号は元の金庫にすぐしまう。
(4)手続や届出書の控えは、法定保存期間を過ぎたら廃棄する。
(5)退職者の書類の番号部分はマスキングしておいて法定保存期限が来たら廃棄する。
小規模な事業所では紙ベースでの記録保管が便利です。
社員への使用目的説明義務、番号利用記録の記載もでき、バインダーにとじて保管ができる用紙が出ています。
システム利用をためらっている場合や費用をかけたくない場合であれば簡単に始められるので、
まず行ってみる事で悩みも軽減されるでしょう。
◆交際費に該当しない交際費
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、
仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、
贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます)のために支出する費用をいいます。
ですから接待、慰安、懇親を目的とした飲食その他これに類する行為
(以下「飲食等」といいます)のために要する費用は交際費ですが、1人当たり5,000円
(消費税抜き)以下の場合は交際費に該当いたしません。
但し専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものは、
5,000円以下であっても交際費に該当いたします。
◆資本金1億円以下の法人
交際費は原則損金不算入ですが、次の①か②の有利な方を選択して、損金に算入できます。
①飲食等のために要する交際費に該当する費用。要は以下の費用です。
「1人当たり5,000円を超える費用並びに法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に
対する接待等のために支出する費用」の50%の損金算入を認める。
②800万円までの交際費の損金算入を認める。
①は飲食等のために要する交際費に該当する費用の50%が800万円より多い企業が選択しますが、
多くの中小企業は②となると思います。
◆その他の企業
資本金1億円超の法人の場合は①の適用ができます。
できますと言ったのは、平成26年3月31日以前に開始した事業年度は、
交際費は原則通りすべて損金不算入でした。
また資本金5億円以上の企業の100%子会社等は資本金が1億円以下であっても①の適用しかありません。
交際費は景気動向も踏まえ政策的に頻繁に変わります。毎年チェックしましょう。
◆育休取得・職場復帰を支援する助成金
2015年2月より中小企業両立支援助成金の1つに「育休復帰支援プランコース」が新しくできました。
育児休業を取得し、職場復帰する人と職場環境の業務見直し等を支援します。
育児休業者が初めての人でも、2人目以降の人でもよく、育休復帰プランナーの支援を受けて
育休復帰支援プランを策定すればよいなど、申請の要件も他の両立支援の助成金と比べても
難しくはありません。
1事業主につき1回限りの受給です。
◆申請手順
育休復帰プランナーとは育休支援プランの作成および、プランに基づく措置の実施を支援します。
厚労省が委託する事業者が委嘱した者で、社会保険労務士や中小企業診断士の資格を有する者等が
委嘱されています。
1.プランナーの申し込み
厚労省のHPからできます。受け付け後受託事業者からプランナーが派遣されます。
企業を訪問しアドバイスをします。
ア、育休復帰支援プランの策定の支援
イ、対象社員の取り扱いに関する事
ウ、育休復帰を円滑にする業務改善指導
エ、助成金手続きに関するアドバイス
等を無料で受けられます。
2.事業主は労働者の育児休業の取得・復帰支援に関するマニュアルや規定を作成する
社内報等で労働者に知らせます。
3.産休・育休支援面談(休業前)
対象労働者が出たら面接シートを使い「妊娠報告後面談」と「休業2ヶ月前面談」を行います。
前者では出産予定日や妊娠期間中の就労時の配慮事項、業務引き継ぎ等を話します。
後者では、職場復帰後の就業イメージ等を話し合います。
4.対象労働者の育休復帰支援プランの策定
休業中の業務を滞りなく行うための体制作り、復帰後の時間制約のある状態での
働き方等を策定し産後休業開始日までに社員に知らせ、業務引き継ぎを終了します。
◆支給申請
休業取得時申請は育休(産後休業終了後引き続き育休を取る人は産後休業)を
開始した日から3ヶ月経過する日の翌日より2ヶ月以内に、復帰時申請は
育休終了日の翌日から起算して6ヶ月を経過する日の翌日から2ヶ月以内です。
◆役員でも労災保険加入ができる制度
労災保険は本来、労働者の業務又は、通勤による災害に対して保険給付を行う制度です。
しかし代表者や役員、代表者の同居の親族等でもその業務の実情、
災害の発生状況から見て、労働者に準じて保護する事が適当であると
認められる人は労災に任意加入する事ができるのが特別加入制度です。
◆中小事業主等とは
①下記に記載する業種と常時雇用労働者数の企業規模である中小事業主である事
ア. 金融業、保険業、不動産業、小売業は50人以下
イ. 卸売業、サービス業は100人以下
ウ. それ以外 300人以下
②労働者以外で①の事業主の事業に従事する人
(事業主の同居家族従業員や代表者以外の役員等)
労働者を通年雇用しない場合でも1年間に100日以上使用している場合は加入可能。
◆特別加入の加入手続き
特別加入をするためには
①労働者の労働保険加入をしている事、していない場合は成立させる事
②労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託している事
この2つの要件を満たし、所轄の都道府県労働局に承認申請を行います。
◆保険料と補償内容
『給付基礎日額×365日×各事業の保険料率』が年間保険料です。
年度の途中で加入、脱退をした場合は月割で計算されます。
給付基礎日額は3,500円から25,000円の間で金額を選択します。
保険料は金額にかかわらず年間の労働保険料全額を3分割して払う事ができます。
特別加入の補償の範囲は業務災害では申請書に記載された範囲が対象です。
労働者の就業中、時間外、休日労働に応じて就業していた場合や準備、後片付け、
事業場施設内での行動中、出張等ですが事業主の立場で行われる行為は除かれます。
通勤災害は一般労働者と同様に取り扱われます。
特別加入者が業務災害又は通勤災害による場合には所定の保険給付に併せて特別支給金も支給されます。
◆芥川賞の賞金品は所得税の課税対象?
第153回芥川賞は、お笑い芸人の又吉直樹さんが受賞して話題になりました。
同賞の正賞は懐中時計、副賞は100万円だそうです。
これらの賞金品については、特に非課税として所得税法に特掲されていないため、
所得税が課せられることになります。
この場合、受賞の経緯が、既に公表された候補作品の中から選考委員(第三者)により
選ばれるものであることから、「著作の対価」としての性質は有していない
―すなわち、源泉徴収の対象(原稿報酬)とはならないものと位置づけられています。
◆では「事業所得」か「一時所得」か?
では、「事業所得」か「一時所得」のどちらに該当するかといえば、少々判断が難しいところではあります。
所得の区分は、「継続性・対価性」があるもの、ないしは「付随収入」としての性質があれば「事業所得」、
そうでなければ「臨時的・一時的」な収入として「一時所得」となります。
ただ、この新人文学賞の受賞をきっかけに作家生活(事業)が軌道に乗る方も
いらっしゃることを考えると必ずしも「一時所得」とは言い切れない部分があることは否めません。
◆正面から聞いてみた作家さんがいました!
東京国税局から公表されている文書回答事例の中に「吉川英治文学新人賞の受賞に伴って
受領した副賞の取扱いについて」というものがあります。
これは平成10年から作家業を営んでいる方が同賞を受賞した際に受け取った副賞は
所得税法上「一時所得」に該当するものと解して差し支えないか、
国税局に直接文書で問い合わせたものです。
こちらの作家さんは、同賞は、
①財団法人が選ぶもので「出版社」が選ぶものではないこと、
②既存の作品の中から選考委員によって選ばれたもの(非公募型の新人文学賞)であって、
自らが応募するもの(公募型の新人文学賞)でないこと、
③芥川賞などが源泉徴収の対象でないように、「著作の対価」としての性質は有していないことから、
作家としての本来の事業活動による収入ではなく、文筆活動を行う中で一般的に受領し得る性質のものではない
―むしろ、予期せぬ臨時・偶発的収入だと主張したのです。
結果としては、国税サイドではこの作家さんの主張を認めております。
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