◆課税→免税のときの棚卸資産
課税事業者が新たに免税事業者となる場合で、課税事業者期間の末日において
所有する棚卸資産のうちに、課税事業者期間中に仕入れた棚卸資産がある場合には、
その棚卸資産に係る消費税額は、その課税事業者期間中の仕入れに係る消費税額の計算の
基礎となる課税仕入れ等の税額には含まれないこととされています。
税抜仕訳の場合には、仮払消費税を消去して期末棚卸資産は税込価額にしておかなければなりません。
◆課税→免税のときの仕入値引返品等
課税事業者期間中の仕入れについて、免税事業者になってから仕入値引割戻返品が
あった場合には、その対価の額の中に含まれていた消費税額は
認識しないことになっていますので、全て税込価額で処理します。
課税事業者期間中の仕入に係る商品等で免税事業者になった最初の期首に
有していたものを、その後仕入返品する場合にも、その対価の額の中に含まれていた
消費税額は認識しないことになっています。
前記のような期首棚卸資産を税込価額に処理し直していたことと、つじつまの合う関係になっています。
◆課税→免税のときの売上値引返品等
課税事業者期間中の売上について免税事業者になってから売上値引割戻返品があった場合、
又は貸倒れが生じた場合や消却債権取立益を得た場合にも、その対価の額の中に含まれていた
消費税額は認識しないことになっていますので、すべて税込価額で処理します。
なお、課税事業者期間中の売上に係る売上返品により増加した棚卸資産については、
税込価額への変更処理が要求される期首棚卸資産と同じく、
期末まで在庫品として残った場合には、税込価額で期末棚卸資産の経理処理をすることになります。
◆売上戻り商品を売上げると
免税→課税の移行期においては、売上戻り品の売上げで、
免税事業者期間の消費税額が課税事業者になってから強制的に損金算入され、
税込価格仕入額と税抜課税売上額が対応させられる不都合が生じます。
それに対し、課税→免税移行期では、全てが税込取引で例外なく処理されるので、
平仄の合わない不都合は生じません。
◆離婚時の年金分割とは
年金分割の基本的な仕組みは、離婚当事者の婚姻期間中の厚生年金保険や
共済組合の保険料納付記録を離婚時に限って当事者間の分割を認めるというものです。
分割は平成19年4月1日以降に成立した離婚が対象です。
分割に当たり、間違えやすいケースを見てみます。
◆夫の年金全額が分割対象という誤解
分割は厚生年金(報酬比例部分)や共済組合(職域部分を含む)が対象で
基礎年金部分には影響しません。
ですから自営業等でずっと国民年金しか加入していなければ分割できませんし、
厚年基金も代行部分以外は対象外です。
対象期間も婚姻から離婚までの期間とされ、按分割合を決めるのは当事者各々の
保険料の納付実績の比較をして標準報酬額の再評価で額の多い人が
少ない人に分割を行います。
ですから場合によっては夫が自営、妻が会社勤めで妻の方が夫より年金が多ければ
夫に分割して渡すと言う事態もあるかもしれません。
◆専業主婦は無条件で2分の1と言う誤解
平成20年4月から3号被保険者(専業主婦・夫)が請求すれば
夫婦の合意がなくとも配偶者の厚生年金や共済年金の半分が受け取れる3号分割制度は、
その対象はH20年4月以降の期間です。
それ以前の期間分は話し合いが必要です。
当事者間の合意ができない場合は求めに応じ、裁判所で定める事も出来ます。
◆分割後年金は自動的にもらえると言う誤解
分割手続きは離婚した翌日から2年以内に「年金分割の為の情報提供請求書」や
「標準報酬改定請求書」を年金事務所に提出します。
これは分割する保険料納付記録だけを請求するのですから、
実際に受給するのは受給期間を満たし、定められた受給開始年齢に達した時、
年金の裁定請求書を提出して受け取る事になります。
◆元夫の死亡や妻の再婚で分割分は消滅と言う誤解
分割年金は自分が再婚しても、元夫が死亡した時も保険料納付記録は消えません。
又、事実婚の夫婦は婚姻期間の特定が困難と言う理由から基本的に
分割の対象外とされています。
但し、第3号被保険者として認定されていてH19年4月以降に関係が解消されたと認められる場合は対象となります。
公正取引委員会が下請代金支払遅延等防止法(下請法)に基づく
平成25年上半期の取り締まり状況と法違反事例を公表しました。
下請法は親事業者に対して禁止行為を定めていて、その内容は、
受領拒否、支払い遅延、下請代金の減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、
報復措置、有償支給材料等の対価の早期決済、割引困難な手形の交付、不当な利益の提供要請、
不当な給付内容の変更・やり直し――の11項目となっています。
公取委が勧告・指導した違反事例を見てみると、「支払い遅延」では、
電子部品の加工を委託した下請事業者からの請求書の提出が遅れたことを理由に、
加工をさせたにも関わらずあらかじめ定められた支払い期日を経過して
下請代金を支払っていた親事業者が指導を受けました。
「減額」の例としては、漆器の製造を委託している下請事業者に対し、
卸売業者が「カタログ作成協賛金」として一定額を下請代金の額から減らしていたことが
分かっています。
また、鋳物製品の製造の委託先と単価引き下げ改定を取り決めた鉄鋼業者が、
引き下げ前の単価で発注した製品までさかのぼって新単価を適用した例もありました。
「返品」では、婦人服の製造を委託している下請事業者に対し、
ただちに発見できない瑕疵を発見したとして、商品を受け取ってから6カ月後に
返品した繊維工業事業者が指導を受けています。
「不当な経済上の利益の提供要請」については、利益がどれだけ見込めるのかを明らかにせず、
下請事業者に無償で人員を派遣させ、自社店舗の接客販売、在庫管理、棚卸し作業を行わせていた例もありました。
平成24事務年度の所得税の税務調査に関して、1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種は「風俗業」で、
その額は2078万円でした。
「キャバレー」「バー」「畜産農業(肉用牛)」「人材派遣業」などが続きます。
「風俗業」は、過去10年間でワースト3内から外れたことのない〝常連"です。
10年間でワーストになったのはこのほか、「キャバレー」と「貸金業」。
また、前年は20位にも入っていなかった「解体工事業」が9位だったことにも注目したいところです。
いわゆる「復興特需」で売上が上がったものの、適正な申告をせず、調査を受けた解体工事業者がいたようです。
以下、この「解体工事業」と3位の「バー」の申告漏れ事例を見ていきます。
解体・運搬業を営む個人事業主は、震災復興で売上が急増し、多額の所得を得ていました。
しかし、架空経費を計上して適正な申告をしていませんでした。
しかも震災以前の所得については全く申告していなかったそうです。
なおこの個人事業主は、申告漏れの所得分で、借入金の返済や自宅の購入資金に充てていたとのことです。
また、有名繁華街にあるバー(クラブ)の実質的な経営者は、
クラブ経営で得た資金を従業員名義の口座に入金させ、従業員に所得税の申告をさせていました。
従業員が実質的な経営者であるように偽装し、自らの所得を隠蔽していたわけです。
また、経営者を装わせる従業員を2年ごとに変更し、消費税の課税から逃れていました。
さらに、経理担当者に命じて現金売上を除外。
ホステス報酬の一部を外注費に仮装して、その源泉所得税も免れていました。
雇用保険の失業給付とは加入者が倒産・定年・自己都合等で離職し、
再就職までの生活を安定させ、早期に就職できるように支給されるものです。
◆失業給付(基本手当)の受給要件
基本手当を受けるには、離職時の理由によって、最低加入期間が異なります。
会社 都合退職の場合は雇用保険に加入し、離職の日以前2年間に賃金支払い日数が
11日以上ある月が最低6カ月以上必要です。
自己都合退職であれば、最低1年以上加入している事が必要です。
基本手当を受ける為には居住地管轄のハローワークへ求職の申し込みをします。
雇用保険に加入していたとしても、失業の状態を確認し、認定を受けなければ給付は受けられません。
失業の状態の確認とは「働く意志及び能力がある」状態を言います。
◆受給する事が出来ない場合
次の様な場合は原則受給できません。
ア、病気やけがですぐには就職できない
イ、妊娠・出産ですぐには就職できない
ウ、親族の看護等ですぐには就職できない
エ、定年等で離職し、しばらく休養をする
オ、結婚して家事に専念し就職を望まない
カ、家事手伝い、農業、商業等家業に従事
キ、収入有無は問わず自営業をしている。
ク、会社役員に就任している
ケ、次の就職先がある。又は就職した
コ、昼間の学校の学生で学業に専念する
上記のア~エは受給期間の延長申請が有。
◆給付日数は離職理由と年齢加入期間で決定
基本手当は離職理由と加入期間と年齢により受給日数が異なります。
また、離職した日の翌日から1年間で受給期間は終了することとなっています。
満了日が到来すれば原則受給は終了します。
ですから自己都合退職をした方で求職の申し込み後7日間の待機期間終了後、
3ヶ月間の給付制限がかかりますので申し込みが遅くなると満了日以降受給できない
と言う事があるかもしれません。
留意をして下さい。
基本手当の金額は失業状態にある日について、離職する日の直前の6ヶ月間に
支払われた賃金の合計額を180で割った賃金日額のおおよそ45%から80%の間で、
賃金の低い人ほど高い率で支払われます。
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